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シャルル・ドゴール国際空港と直結しているパリ郊外鉄道 (RER) の B 線の「大学都市」駅(Cité Universitaire)の正面に見える「パリ国際大学都市」(CIUP) 本部建物には、中央図書館、劇場、室内プール、レストラン、銀行、郵便局などが設けられており、これを囲むように 40 の建物が 34 ヘクタールという広大な敷地の中に散在しています。
これらはすべて学生や研究者の宿舎ですが、そのうち 18 館は大学都市本部が直轄しており、残りの 22 館が各国の政府や財団、あるいはフランス国内の教育・研究機関の直轄のもとに運営される非直轄館となっています。
日本館はアメリカ館、ハインリッヒ・ハイネ (ドイツ) 館、スイス館、インド館、イタリア館、スペイン館などとともに、政府管掌の非直轄館の一つです。特にこれらの外国館はそれぞれのお国がらを示すユニークな建築様式を誇っており、大学都市全体がパリ名所の一つとなっています。
日本館大サロンは、正面ステージに藤田嗣治の大作「欧人日本到来図」とグランドピアノがあり、床は木製で、大きなガラス窓に囲まれた落ち着いた空間です。
収容人数は120人ほどです。これまでもコンサート、音楽練習、講演会、個展、各種グループの学習会などのために、多くの方々に利用されてきました。利用時間は午前10時から午後10時までです。
使用料は、3時間まで200€、3時間以上6時間まで400€(ピアノを用いない場合は380€)です。皆様、ぜひご利用ください。利用の際は、申請書 に仏語で記入し、これを accueil@maisondujapon.org にお送りください。
こんにちは。2021年4月より日本館館長を務めている西海真樹(にしうみまき)です。
日本館は1929年に建てられました。その後現在に至るまで、多くの日本人・外国人の留学生・研究者が居住者(レジダン)としてここに住み、勉強や研究に打ち込んできました。
このような日本館の地位は、1953年に結ばれた日仏文化協定のなかに定められています。この協定は、日本館を「シテ・ユニヴェルシテールにある日本会館(薩摩会館)」と述べ、東京の日仏会館と日仏学院、京都の関西日仏学館とともに、日本館を日仏文化関係の発展に資するための「日仏文化機関」と位置づけています。 同協定はまた、「両締約国は、次の諸事項に関し、相互にできる限り便宜を与えるものとする」と述べ、この諸事項のなかに「給費留学生その他の留学生の滞在」を挙げています。このことからもわかるように、日本館の基本任務は、日仏両国間の文化関係の発展に貢献することと、留学生・研究者が勉強、研究に専念できる居住環境を提供すること、の2つです。
2020年春からの1年間は、コロナ禍のせいで、レジダンが激減し、文化活動もほとんど行うことができませんでした。これは、日本館にとって大変残念なことでした。2021年5月以後、コロナ規制の段階的緩和にともない、徐々に文化活動が行えるようになり、大サロンでの演奏会やレジダンによる研究会も復活しました。さらに大学新年度の9月には、日本館のほぼすべての部屋にレジダンが入りました。文化活動や留学生活が、以前のように行えるようになったことは、大変嬉しいことです。
私は日本館館長として、日本館が上記の2つの基本任務を遂行することを通じて、日仏のあるいは世界の文化の交流と発展に、ささやかながら貢献できるよう願っています。